知っておきたい親知らず――抜くべきか、抜かなくてもいいのか

特に問題は出ていなくても、なんだか気になってしまう「親知らず」。もしかしたら、名前だけは聞いたことがあるけれど、実際には生えてきていないという方もいるかもしれません。

親知らずは、口の奥に位置する四本の最後の歯のことを指します。一部の人には痛みや腫れを引き起こし、他の歯の位置を崩すこともありますが、全ての親知らずが必ずしも抜歯が必須となるわけではありません。

本コラムでは、親知らずが生えてくる理由や問題点、抜くべきケースと抜かなくてもいいケースの判断基準について探っていきます。

そもそも親知らずってなに？

親知らずは、通常、大人になってから生えてくる最後の歯です。過去の進化の過程で、私たちの祖先はこの歯を噛むために使っていた可能性がありますが、現代の人々にとっては必須の歯ではなくなっています。

親知らずには、他の歯が抜けた際の代替にできるなどいくつかの役割がありますが、同時に問題点も存在します。きれいに真っ直ぐ生えず、横向きに生えたり頭だけが出た状態になっていたりする場合は、トラブルを引き起こす可能性があります。

抜くべき親知らず

親知らずを抜くべきかどうかを判断するためには、いくつかの要素を考慮する必要がありますが、生え方が悪くて他の歯に悪影響を及ぼしていれば抜歯が検討されるでしょう。

以下に、抜くべき親知らずの一般的な条件と理由をいくつか挙げます。

・痛みや腫れが繰り返し起こる

親知らず周辺の痛みや腫れが頻繁に起こる場合、それは抜くべきサインかもしれません。痛みや腫れが起こるのは、横や斜めに生えた親知らずが周囲の組織に圧力をかけているためです。

・噛み合わせに悪影響を及ぼす

親知らずの位置や生え方がかみ合わせに影響を与える場合、抜歯を検討する必要があります。例えば、親知らずが他の歯に圧力をかけて歯列が乱れると、その影響でかみ合わせが悪くなる恐れがあります。

・口内の衛生状態が悪くなる

親知らずは、歯ブラシやデンタルフロスが行き届きにくい場所に位置しています。そのため、親知らず周辺の歯茎が炎症や感染を起こしやすくなる可能性があります。口腔衛生の問題が頻繁に起こる場合、抜歯を検討する必要があります。

・他の歯科治療の妨げになる

親知らずが他の歯科治療や矯正治療の進行を妨げる可能性がある場合、抜歯が勧められることがあります。

抜かなくてもいい親知らず

一方で、親知らずを抜かなくてもいい場合もあります。抜かなくてもいい親知らずの一般的なケースは以下の通りです。

・正常に生えており、周囲の組織に悪影響を及ぼさない

親知らずが正常な生え方をしており、周囲の組織に炎症や感染の兆候が見られない場合、抜歯は必要ありません。

・十分な空間があり、噛み合わせに問題がない

親知らずが生えても、他の歯との間に十分な空間があり、噛み合わせに影響を与えていなければ、抜歯は必要ありません。

・十分に管理が行われている

歯科医院で定期的に検診を受け、親知らずの状態を適切に管理できている場合であれば、抜歯の必要性は低くなります。

・抜歯に伴うリスクが高い

親知らずの抜歯手術には一定のリスクが伴います。基礎疾患の状態など、身体的な理由によって抜歯のメリットをリスクが上回る場合は、経過観察のほうが望ましいと判断されるケースがあります。

歯科医師と相談し、適切な判断をすることが大切です

「抜くべき親知らず」と「抜かなくてもいい親知らず」の判断は、個人の状況や歯科医師の専門的な判断によって異なります。親知らずの役割や問題点を考慮し、正しい選択をすることが重要です。

とはいえ、親知らずの抜歯は年齢を重ねるとともに難しくなることが考えられますので、抜歯が必要であれば早めに処置をするのが望ましいでしょう。

親知らずが気になる方は、現時点で痛みが出ていなくても一度ご相談ください。

医院紹介

福岡市早良区梅林にある「へんみ歯科」は、患者さま一人ひとりのお悩みに応えることを第一に考え、保険内治療・自費治療を問わず幅広い選択肢の中からより良い治療法をご提案しています。

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